町長を葬儀委員長に、関係者多数の協力で厳粛に葬送

北海道亀田郡桔梗町で建設業を営む東商建設社長の坂本幸市氏が平成12年10月1日
64歳で急逝した。
故人は昭和10年亀田郡七飯町生まれ。47年、36歳で建設会社を設立し、出生地七飯町や
函館市内に分譲地東商タウンを開発、住宅供給に努めた。また、北海道宅地建物取引業
協会会長をはじめ、業界関連の社団・財団組織の役員を歴任、七飯町社会教育委員なども
務め、後進の育成に尽くした。
葬儀・告別式は10月5日、故郷・七飯町の大中山コモンで仏式(真宗大谷派)で営まれた。
葬儀委員長を務めたのは、故人と交友の深かった七飯町長の水嶋清氏。水嶋氏は「荼毘が
終わったちょうどそのころ、それを知らせるかのように、斎場の上空、雨上がりのそらに
美しい虹が浮かびました」と挨拶を述べ、会場のあちらこちらからすすり泣きの声が聞かれた。
会葬者は、通夜1100名、告別式400名であった。
葬儀施行
「この会場を葬儀に使用するのは初めての試み。会葬者の数もこの地域ではまれにみるほどの
多人数でしたが、町長はじめ、町役場、町内会、東商建設など多くの関係者の協力を得て
厳粛で心のこもった葬儀を行うことができたように思います」
(亀田葬儀社専務・川道一司氏)

2000年 専門誌「SOGI」通巻60号掲載 (一部抜粋)



競争激化に拍車

函館の「葬祭場地図」が慌ただしさを増している。人口流入が著しい美原と桔梗町に、今秋
相次いで新しい施設が完成したからだが「骨葬が一般的なため、使用施設の制限が少なく
資本がかからない。人口に占める業者の割合はおそらく全国一」(小泉康祐北海道葬祭業
協同組合函館支部長)という函館だけに、競争の激化に拍車がかかりそうだ。
専門化の時代へ
亀田葬儀社(桔梗町340-15、川道政義代表取締役)は、 創業25周年を迎えたのを機に2回目
のリニューアル。新たに394平方メートル余りを増築し、総面積は1635.21平方メートル
総収容人数を900人にした。核家族化の進行による葬儀や法要の小規模化に配慮し、防音機能付き
の仕切りなどで多目的に使用できるのが特徴。川道一司専務取締役は「2階2ケ所に浴室シャワー
を設置するなど、遺族の心身両面に配慮した。会員制度などで長いおつき合いを」と意欲を
見せている。
一方、地元の老舗(しにせ)博善社(小泉社長)は同社4施設目となる函館市民美原斎場を
10日に美原4-18にオープンさせる。敷地面積は1749平方メートル1、2階の会場は
各495平方メートル。手すりやひつぎも納まるエレベーターを設けるなど、こちらも利用
しやすさを打ち出した。同社は先月から運営する既存の葬祭場を地元他業者に貸し出し始めた。
かねてから希望が多かったことを受けてだが、小泉社長は「地元業者が共栄共存できれば」と
函館外資本対抗の意思を打ち明ける。昨年から国家資格の「葬祭ディレクター制度」が始まる
など、業界も専門化の時代。道内でも特殊な”葬祭文化”を持つ函館のこれからが注目される。

(函館新聞 掲載)


散骨・墓地はどうなる?

「散骨の出現」・・・法の態度

墓地埋葬法が想定していない葬法として、焼骨を粉末状にして、墓地叉は墓地以外の場所に焼骨を散布する散骨を行う人が現れた。墓地埋葬法は、本来、伝統的な
葬法である埋葬・火葬の取締法規であり、葬法の在り方自体を直接的に規制するものではない。また刑法の遺骨遺棄罪は社会的な習俗の節度をもって行う場合は
散骨を処罰の対象とすることはできないと解されている。
時の経過とともに新しい葬法である散骨を容認する人々も増加の傾向にある。散骨を葬法として容認する人の割合は、平成2年の調査では二割強であったが、本年
(平成10年)の調査では七割を超え、散骨についての理解が進んでいることが伺える。
散骨についての考え方
散骨は、墓地埋葬法の立法当時、社会的事実がなかったためにあえて規定しなかったものと考えられる。散骨が公衆衛生上の問題を生じたり、社会的通 年上国民の
宗教的感情を損なうような形で行われるのでなければ、現行法上特に規制の対象にする必要がないというのが現在の考え方であり、これは是認できるものである。
散骨について
葬法としての散骨を実施する場合、第一次葬としての火葬と第二次葬としての散骨(骨粉を撒く)という二つの行為によって実行されることになります。
現行の「墓地埋葬法」では、第一次葬として土葬(埋葬)と火葬が規定されており、第二次葬としては埋蔵と収蔵、そして改葬について規定していますが、「散骨」
は規定されておりません。許可なく火葬を行うことや墓地以外の場所に埋葬あるいは埋蔵されることが禁止されており、この違反には罰則(刑罰)が課せられます。
「散骨」については現行法に規定がないために、罪刑法定主義の原則からいっても罰則規定の適用を受けないというのが厚生省の現行法の解釈であろうと考えています。
第一次葬であれ第二次葬であれ、遺体を埋火葬し、焼骨を埋蔵・収蔵する義務(これらの義務をここでは一括して「埋葬義務」という)については現行法では
明示的には規定されておらず、行政の解釈としても焼骨を自宅で保管することは違法ではないとしています。(厚生省生活衛生局企画課監修「逐条解説
墓地埋葬法に関する法律」(第一法規))。この「埋葬義務」については、ここで詳細に述べることはできませんが、立法論的には検討の余地があり、ヨーロッパの
多くの国々では第一次葬だけではなく、焼骨を埋葬する第二次葬の場合も「埋葬義務」はあると考えるのが通 説になっています。

(1998年 専門誌「SOGI」 通巻47号 掲載)


道新 社会福祉振興基金へ寄託

函館市桔梗町の亀田葬儀社(川道一司社長)の安藤直行チーフ(写真右から2人目)らは
17日の株式会社設立記念・創立30周年記念祝賀会で行ったチャリティージャンケン大会の
参加料の一部18万2585円を「道新 社会福祉振興基金」へ寄託した。

(2001年 2月 北海道新聞掲載)

取材に来てほしい・・・

拝啓、毎号送付されるのが待ち遠しいくらい楽しみにしております。最近内容も深く掘り下げての
特集がすごく興味をそそります。
さて、毎号各地の葬儀業者の方のレポートがありますが、私どもの地域のいっぷう変わったところを
申し上げます。それは、函館はもちろんのこと、渡島・桧山管内でも葬儀式の順序が他の地域とは
違っているということなのです。私たちの地域では、通夜の前に火葬をしてしまい、それから通夜
告別式をします。いわゆる骨葬ですが、約9割以上がこのようにしていると言っても過言ではあり
ません。また、告別式終了後、少し時間をおいて百か日までの取越法要をもしてしまいます。
日本各地でいろいろな風習があると思いますが、こちらの地域はその中でもめずらしい儀式進行では
なかろうかと思われます。
私どもの会社は函館で15番目に葬儀社を始めましたが、現在は人口30万強のところに葬儀業者社が
40社近くもあります。たぶん、競争率の高い地域の一つではないかと思います。
このような私どもの地域もぜひ取材して全国のみなさんに紹介してもらえないでしょうか。
ほかにも、興味深い風習や施行例などもお話できると思いますので、えひよろしくお願い
申し上げます。

(1994年 専門誌「SOGI」通巻20号 掲載)